アリスとテレスのまぼろし工場 雑感

・「空の青さを知る人よ」が好きなので観てきました。

 

・青春映画として良くできていました。

 ・延々と変わらない町の中で変わらないことを強いられる住民たち。閉塞感に満ちた世界で10年以上成長出来ていない少年は狼少女と出会う――

 ・町を町として維持しようとした結果として、結構おぞましいことになっていました。マイルドに描写されていましたが、かなりえげつありません。

 ・その変わってはいけないという絶対の決まりが忍び寄るタイムリミットで揺らぐときに、変わりたいと願う気持ちが何をもたらすのか、

  ・こじれた/きちんとしまえなかったモラトリアム/青春時代への向かい方というテーマは既作にも見受けられましたが、本作でもメインになっていましたね。

   ・終わらせたい――大人になりたいのも当然で、続けたい――まだ少年少女を楽しみたいのも当たり前で、続けるのとは違った意味で変わりたくない――のもまた一つの答え。

 ・目の前に揺らぐ現実を前にして、変わらぬ夢から変わっていく夢を見続けたいと足掻く様はそうだよなと大いにうなずけるものでした。

  ・クライマックスで複数のレイヤで欲望とエゴがぶつかり合わせながら、綺麗に落としたのは名人芸と言っていいでしょう。その手つきには感動しました。

  ・これは私のだ――という10年以上成熟させた少女の恋に幸いあれ。