・目覚め、優しい鼻歌が聴こえる。目をやるとそこにはラスボスの筈の美少女が――
ロマンに溢れた導入の、幸せな悪い夢の回。
・夢は現実を目指す意思に破れるのが必然で、あらゆるフィクションの主人公たちは幸せな虚構を打倒します。
本当にありふれ過ぎている物語のテンプレートです。
ただこれまでふわふわと積み重ねてきたSSSSグリッドマン的な要素を上手く組み合わせて、かなりエモーショナルに良い味を出していました。
・今話はフックが多く、語りたい点は多いですが、簡単に。
・裕太とイチャコラするアカネ、内海と怪獣話に盛り上がるアカネ、六花と友達になるアカネ――退屈していないアカネたちは確かに幸せそうで。
しかし誰も知らないところでアカネは一人その夢を成り立たせるために走り、雨に打たれている。
そして夢の狭間からグリッドマンの――悪を打倒するヒーローがエコーする。
その対比が本当にきゅんきゅんきました。
・絵的にも栄えていて、裕太の口を捻るアカネとか、アレクシスを前にいちゃつく六アカとか素晴らしく可愛かった。
・そして、あの墓地のシーン。
いや、最高でしょ、あれ。
よくある、確かによくあるけど、グリッドマンが積み重ねてきたものが炸裂していました。
最後のきっかけになったのはとある墓標――刻まれていたのは「問川家」。最初に消えた少女の、苗字。
覚えているのも、糾せるのも彼らだけで、それで自分がなすべきことを明確に言葉に為す。――ヒーローの帰還。
・都合が良すぎて夢だと悟る内海は泣いて良い。
・そして奔る少年少女。かーっ、これこれと。
・あとキャリバーとアンチの会話が格好良いんだ。巨大なロボットを見上げ、そのロボットと電話で会話する絵面も良いし、キャリバーさんの言葉もまたクールで良し。
・あとアカネがふらふらと霧の中に消えるあたりはブギーポップのエンディングみがあってまた胸キュンだった。
・さて。色々とふわふわしていたけど、受動的だったグリッドマン同盟の目的は形になった。――アカネを夢から醒めさせようと。
では、アカネが夢見ている想いは何か、そして本当に夢から覚めて良いのか。
いやあ、これからも楽しみ、楽しみ。